こんな記事がありました。

xR(AR、VR、MR)が起こす「現場の技術伝承」革命

確かに、xR 技術を使うことで、作業のトレーニングや、現場のベテランの作業ノウハウの伝承に役立つと思います。
実際に、「見ながら」現実世界の作業を行うことで、身をもって覚える、体に染み込ませる、ということが期待できます。

それにプラスして、「なぜ?」という思想を伝承することが必要かと思います。
「こうすればこうなる」ということは覚えられても、「なぜそうするのか」が伝わらないと、いわゆる「マニュアル人間」を増産することに繋がりかねません。

同じ作業をするにしても、ベテランとそうでない人は作業順序が異なっていたりします。
ある作業は、他人に何かを依頼してそれを待たないと次の作業ができない、というものだったりすると、ベテランは真っ先にそれを行い、他人の作業の待ち時間に自分の他の作業を進めておく。
一方、ベテランでないと、「他人に依頼することは面倒だから後回しに」となり兼ねなかったり。

システム開発や建物の建築もそうですが、「後に保守・メンテナンスする時のやりやすさ」を考えて、あえて時間をかけて「見やすさ・メンテナンスしやすさ」に配慮した作業を行うことがあります。例えそれで新規構築の作業時間が多少延びたとしても。
「急がば回れ」的な作業思想をどのようにベテランから伝承していくのか、技術だけで解決できない課題にも注視しておきたいですね。